自動ロック(オートロック)は、最近のランドセルに搭載されていることの多い機能の一つです。
便利な機能として採用するメーカーがある一方で、あえて採用せず手動ロックにしているメーカーもあります。
この記事では、自動ロックの仕組みやメリット、採用しているメーカーなどを、メーカー一覧表や口コミとともにご紹介していきます。
目次
ランドセルの自動ロックってどんなもの?
ランドセル購入を検討しているみなさんのなかには、主流になりつつあるオートロック機能について「初めて聞いた」という方や「手動と何がちがうの?」と思った方もいるかもしれません。
ランドセルの自動ロックの仕組み
ランドセルには、閉じたかぶせを固定するための錠前(ロック)がついています。
手動ロックのランドセルでは、錠前差し込みの穴に金具をはめたら、手でひねって動かないようにします。直方体の金具を90度回すことで穴から外れないようにする仕組みです。
一方、自動ロックの機能を搭載しているランドセルでは、かぶせを閉めたとき、この錠前の金具を手で回す必要がありません。
錠前差し込みの穴に金具が入ったら自動的に回り、かぶせが固定できるという仕組みになっています。(オートロックという名称で呼ばれているものも、同じ機能。)
ただし、錠前を開くときは手で金具を回す必要があります。
自動ロックが広がり始めたのは?
この自動ロックの錠前がランドセルに使われるようになったのは、2010年頃から。ランドセルの歴史のなかでもわりと新しい機能といえます。
導入が始まった当初は使用するにつれて壊れることも珍しくなく、メーカーによっては採用を見送るケースもあったようです。しかし開発が進んだ現在では、耐久性も向上しています。
自動ロックのランドセルを使用するメリットは?
自動ロックのランドセルには、大きく以下の3つのメリットがあります。
1.低学年でも簡単に扱える
自動ロックの錠前なら、入学したばかりの子どもでも簡単に扱えます。
錠前の金具部分に差し込みの穴をはめ込むだけなので、登校や下校前のあわただしい時間にも手間取ることがありません。金具を手で回すか回さないかというわずかな操作の違いですが、小さな手での慣れない扱いを楽にしてくれます。
2.うっかり閉め忘れることがない
手動ロックの場合、錠前を閉め忘れた状態でランドセルを背負ったまま上体をかがめると、中の教科書やノートが地面に散乱するという悲しい事態に。
上靴と運動靴を履き替えたり、先生に深くお辞儀をしたり…、子どもがランドセルを背負ったまま姿勢をかえるのはよくあることです。
自動ロックのランドセルなら、そんな閉め忘れによるうっかりトラブルを防げますね。
3.かっこよさがある
目の前でクルッと自動で回る金具。好奇心いっぱいの子どもの目には、かっこよく魅力的に映るようです。特に機械的なものに興味のある子は、こういった機能に心惹かれることもあるようです。
自分の興味がある機能を搭載したお気に入りのランドセルなら、6年間より大事に使ってくれるのではないでしょうか。
自動ロックを採用しているランドセルメーカーは?
自動ロックと手動ロックのどちらを採用しているかは、各ランドセルメーカーによって異なります。
代表的なメーカーがどちらの錠前を採用しているか、またそれぞれの名称を表にしました。特徴とあわせて参考にしてください。
ロックの種類 | メーカー | ロックの名称 |
自動 ロック |
萬勇鞄 | ワンタッチ自動ロック錠 |
黒川鞄工房 | オートリターンロック | |
羽倉 | オートロック錠 ※金具の先端を樹脂でカバーメーカー紹介記事はこちら>> |
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MOGI(モギカバン店) | ワンタッチ錠前 | |
カバンのフジタ | ワンタッチ自動ロック | |
セイバン | ワンタッチオートロック
※解錠時は左右どちらにも回せる |
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フィットちゃん | ワンタッチオートロック錠前 | |
カザマ | オートロック | |
村瀬鞄行 | 自動ロック | |
ララちゃん | ワンタッチロック | |
手動 ロック |
池田屋 | 池田屋ロック
※3段階に調整可能なタテ穴ひとつ式左右どちらにも回転する金具 |
土屋鞄製造所 | 手動 | |
中村鞄製作所 | ワンタッチマグネット錠前
※安全ゴムカバーが付属 |
主要メーカー13社のうち、自動ロックが採用されているのは10社です。(2024年3月現在)
※鞄工房山本は、2025年度モデルから従来の自動ロックから「ワンプッシュ錠前」に仕様変更しました。
自動、手動に限らず、メーカーによって素材や回転方向などで使いやすさへの工夫が凝らされています。
あえて手動ロックのままのメーカーも。自動ロックのデメリットは?
現時点で、自動ロックを採用していないランドセルメーカーも見られます。
あえて手動ロックとしているのは、自動ロックに以下のようなデメリットがあるという理由からのようです。
1.手動に比べ、壊れる可能性が高い
耐久性の面では自動ロックは手動ロックに劣るという考えから、あえて手動を採用しているメーカーがあります。
自動ロックも登場した頃に比べると耐久性が高まっているとはいえ、シンプルな手動ロックの方が衝撃などにも強く、より長持ちしやすいというメーカーの判断によるものです。
2.穴からズレた状態だとロックできない
自動ロックのランドセルであっても、そもそも差し込みの穴が錠前の金具からズレた状態だとロックはかかりません。そうなると、やはり子どもが身をかがめた折にはランドセルの中身が散らかってしまう事態に…。
自動ロックであるがゆえに油断してしまう、ということもあるでしょう。逆に手動ロックだからこそ、きちんと閉める習慣がつくと言えるかもしれませんね。
3.ランドセル価格に影響する
一つ一つのパーツの価格はランドセル自体の価格に影響します。構造的に複雑な自動ロックは、手動ロックより高くなるということがあるようです。パーツの価格が上がれば、当然ランドセル価格にも上乗せされるでしょう。
自動ロックと手動ロックではどっちがいいの? 口コミも紹介
錠前は小さなパーツですが、ランドセルの開け閉めに関わる、重要なポイント。
自動ロックと手動ロックでは、どちらがよいのでしょうか。
ここでは、手動ロックのランドセルを選んだ先輩ユーザーの口コミを見てみましょう。
先輩ユーザーの声①
もっと詳しく
この口コミのように、子どもによっては自動ロックの方がかっこよくて魅力的、ととらえる場合もあります。
トラブルを防ぐという意味では、自動ロックと手動ロックでどちらが優れているとは言えませんが、子どもの気持ちがランドセルを大切に扱うことにつながるのなら、自動ロックを選ぶ価値もあるのではないでしょうか。
先輩ユーザーの声②
もっと詳しく
自動ロックは壊れる可能性が手動ロックより高くなるかも、という点で悩む方は多いでしょう。
この口コミのように、消去法で手動ロックを選択するという手もあります。
とはいえ、各メーカーで自動ロックが採用されてすでに10年以上が経ちました。開発年数を重ねて、以前のものより壊れにくく進化していることも事実です。
それに万が一壊れた場合でも、最近販売されているランドセルには6年間保証がついていることがほとんどです。
壊れるかも?を心配するより、保証内容や修理対応ができるかをしっかり確認しておけば安心ですね。
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利き手を気にせず開閉できる錠前をご紹介
昨今、自動ロック以外の錠前も登場してきました。今回ご紹介する錠前は、開けるときにロックを左右どちらに回すかを気にしなくてもいい、ユニバーサルデザインです。安全性はもちろん、機能面での改善もされています。
自動ロック以外の錠前は、全部で3種類です。
- ワンプッシュ式
- マグネット式
- 差し込み式(サイドロック)
それぞれご紹介します。
ワンプッシュ式
従来の自動ロックからさらにシンプルな仕様になった「ワンプッシュ錠前」。
閉じるときは自動ロックと便利さは同じですが、開ける時に下の突起部分を押すだけ。ロックを回す一手間が解消されているところがポイントです。
「つまみがうまく回せない」「回転するときに指をぶつけてしまうかも」などの心配がある方におすすめです。
メーカー・工房名 | 特徴 | イメージ画像 |
鞄工房山本 | 2025年度モデルから従来の自動ロックからワンプッシュタイプに変更しました。
下のプッシュ部分を軽く押すだけでロックが外れ、簡単に開けることが可能になりました。 |
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セイバン | 見た目も自動ロックとは異なるデザインのセイバンの「マジカルロック」。
下の部分をプッシュすることで開けることができ、閉じるときは錠前を押してロックをかけます。 |
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キッズアミ | 「リーブル」に使用されているワンプッシュ錠前。「PUSH」と書かれたボタンを押して開閉します。
シンプルなデザインがわかりやすいですね。 |
マグネット式
「マグネット錠前」は軽量化を目指したランドセルモデルに多い印象です。通常の自動ロックなどにも磁力を用いた仕様になっていますが、マグネット錠前は「金具を差し込む」という動作がありません。通常のロックと開閉方法が異なりますので、ほかの錠前と比較してみてください。
メーカー・工房名 | 特徴 | イメージ画像 |
セイバン | FIDLOCK®(フィドロック)を採用している「マグネット式の錠前」は、スゴ軽 エアーⅡモデルに搭載されています。
かぶせと前ポケットのマグネットをスライドさせることで開閉が可能です。 |
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フィットちゃん | フィットちゃんの軽量ランドセル「ゼロランド」に採用されている「マグネットバックル」。
磁力で簡単に開閉が可能で、長さの調整ができるのもポイントです。 |
差し込み式(サイドロック)
半かぶせは全かぶせとは異なり、かぶせが短い分、前に錠前がついています。ランドセルを立たせたまま開閉ができるので、とても便利です。
各社ともに差し込み式錠前が多く採用され、ロックの両サイドの突起部分を押すことで開閉させます。
メーカー・工房名 | 特徴 | イメージ画像 |
池田屋 | 池田屋の半かぶせシリーズ「ルーチェ」はサイドロックの錠前です。
不用意に開かないよう、ロックはサイドに設計しています。 |
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conosaki | conosakiの半かぶせ専用の錠前は、親指と人差し指で軽くつまむだけで開閉が可能です。
金具が壁などに触れることで、簡単に開かないよう設計されているのは、安心ですね。 |
簡単便利な自動ロック。ランドセル検討の一材料に
自動ロックやオートロックを採用しているランドセルでは、差し込み穴を金具に合わせるだけで自動的にロックがかかるという仕組みになっています。
自動ロックは、入学から間もない子どもでも扱いが簡単で、うっかり閉め忘れがないことがメリットです。反面、手動ロックよりやや壊れやすいというデメリットもありますが、開発が始まってから10年以上が経つ現在、壊れる確率は低くなり、採用するメーカーも多くなっています。
万が一の故障についても、メーカーの修理対応がしっかりしているなら、それほど心配することはありません。子どもの性格、好みなども考え合わせたうえで、検討の一材料とするとよいのではないでしょうか。