2020年からの学習指導要領改訂により、プログラミング教育や、外国語教育等が新たに追加され、タブレットや教材が昔より増えています。それにともない、ほとんどのメーカーのランドセルが「A4フラットファイルサイズ対応」が当たり前となりました。
しかし、そうは言っても、メーカーによってランドセルのサイズや容量、ポケットの仕様などは微妙に違います。この記事ではそんなメーカーごとの容量(収納力)の差を詳しく見ていきたいと思います。
※A4フラットファイルのサイズは各メーカーによって多少サイズが異なります。
例:コクヨ 30.7cm×23.1cm、ナカバヤシ 30.7cm×23.0cmなど。
目次
ランドセルの容量(収納力)は大マチのサイズできまる!?
ランドセルの大マチとはランドセルの側面のことですが、この大マチの幅が大きければその分、教科書や資料等をたくさん入れることができ、収納力も上がります。それでは14社のランドセルの内寸を比較してみましょう。
14社のランドセルの内寸一覧表
※高さ、横、大マチの単位はすべて「cm」です。
メーカー・工房 | 高さ | 横幅 | 大マチ | サイズイメージ |
黒川鞄工房 | 31.0/31.3 | 23.5 | 12.0/13.0 | |
MOGI(モギカバン店) | 31.0/31.5 | 23.2/23.5 | 12.5 | |
土屋鞄製造所 | 31.0 | 23.2 | 11.5/12.5 | |
池田屋 | 31.2 | 23.3 | 12.2 | |
鞄工房山本 | 30.5/31.5 | 23.3/24 | 12.0 | |
羽倉 | 30.6 | 23.2 | 12.0 | |
中村鞄製作所 | 31.0 | 23.4 | 12.3 | |
カバンのフジタ | 31.5 | 23.5 | 12.5 | |
萬勇鞄 | 31.5/32.0 | 23.5/24.0 | 12.5 | |
セイバン | 31.0/32.0 | 22.5/25.0 | 12.5/13.5/15.5 | |
カザマ | 31.0 | 23.5 | 12.0 | |
フィットちゃん | 31.0 | 23.3 | 12.0/13.5 | |
村瀬鞄行 | 31.0 | 23.5 | 12.0/12.5/14.0 | |
ララちゃん | 32.0 | 23.5/24.0 | 12.5 |
A4フラットファイルが入る位置で入れやすさは大違い
A4フラットファイルを日常的に持ち帰らない学校の場合は気にする必要はありませんが、毎日のようにA4フラットファイルを持ち帰る学校の場合は、ファイルがまっすぐ入るかどうか、入る位置も気をつけて選ぶのがオススメです。
ランドセルの背あて側にA4フラットファイルを入れても、ファイルが折れずにかぶせ(ふた)が閉められればOK。 A4フラットファイルの使用頻度は、同じ小学校に通う予定のご近所の先輩に聞いてみるとよいですよ。
大マチの幅がランドセルの容量の決め手!?
大マチの幅がランドセルの容量を左右するといっても過言ではありません。
大マチの幅は12.0cm~13.5cmが最も多く、大きいサイズだと14.0cm〜15cmまであり、メーカーによって3.5cmもの差があります。
以前の工房ランドセルは11cm台のものが多かった印象でしたが、この数年で12.0cm~13.0cm幅が標準になってきました。
ランドセルは大容量がいい!とお考えの方は、まず大マチの大きさをチェックしてみるのもいいですね。
ランドセルの大きさは小マチとポケットも重要
ランドセルの収納力はマチ幅がものを言います。先ほど見てきた大マチの大きさはもちろん、その前についてる「小マチ」、ファスナーのついている「前ポケット」のマチ幅も広ければ、その分収納力も上がるというわけです。
それでは各社の小マチのサイズ、前ポケットの形状(開口方法)や容量を順に見ていきましょう。
黒川鞄工房(大マチ:12.0/13.0cm)
小マチ | 箱型(伸びない)でマチ幅が固定されているが、厚みがあるためA4クリアファイルや厚みのある筆箱なども入る。 |
前ポケット | 左右まで大きく開くラウンド型。キーチェーンがついているため、大事な家の鍵も安心して持たせられる。ダブルファスナー採用。(一部モデル非対応あり) |
MOGI モギカバン店(大マチ:12.5cm)
小マチ | モデルによって伸縮しない箱型小マチ、または蛇腹形状の小マチを採用。 |
前ポケット | マチ幅があり、大きく開くので出し入れしやすいワイドポケット。ポケット内には鍵をなくさないためのリングつき。ダブルスライダー。 |
土屋鞄製造所(大マチ:11.5/12.5cm)
小マチ | サイドが蛇腹形状なのであそびがある分、収納力もアップ。厚さ約3.5㎝の筆箱が入ります。ベルトの締め具合で幅の調整可能。※RECO(上記写真)/HERTE/アトリエシリーズはベルトなし。 |
前ポケット | 直線(ストレート型)のファスナー付きのシンプルなタイプ。マチが無いため収納力はあまりない。 |
池田屋(大マチ:12.2cm)
小マチ | 簡単なギボシ式のベルト調節でマチが最大4.5㎝まで広がる。荷物が少ないときは小マチをたたんでコンパクトにできる。 |
前ポケット | 直線(ストレート型)のポケット。集金袋(長形4号)が折れ曲がらず入る深さはあるが、マチはほとんどない。ポケット内にキーループあり。 |
鞄工房山本(大マチ:12.0cm)
小マチ | 側面はまっすぐになっていて伸びしろはほとんどない、箱型の小マチ。 |
前ポケット | ポケットが大きく開くラウンド型。マチがあり、L字型のファスナーで大きく手前に8㎝ほど開くことができる。ナスカンがポケット内部につている。※オールコードバンシリーズのみダブルファスナー仕様 |
羽倉(大マチ:12.0cm)
小マチ | 約2cmだが、革がしなやかで柔らかいため手を添えると簡単に広がり、物が出し入れしやすい。 |
前ポケット | 笹マチ付きポーチポケットで、大きく開くラウンド型。見た目にもスリムで大容量の実用的な前ポケット。ポケット内部にナスカンがついているので、鍵を持たせるお子さまにも安心。 |
中村鞄製作所(大マチ:12.3cm)
小マチ | マチ幅3cmの箱型の小マチ。伸縮しないが、厚みがあるため教科書やノートも収納でき、手を入れやすく使いやすい。 |
前ポケット | 直線のストレート型。マチは狭いがポケット内にDカンがついているため、家の鍵などの貴重品はしっかり管理できそう。 |
カバンのフジタ(大マチ:12.5cm)
小マチ | 幅約2cmの箱型の小マチ。小さめの教科書や連絡帳などが入る。 |
前ポケット | ラウンド型で使いやすい。ファスナーが横まで開くので手を入れやすく、物も出しやすい。またダブルスライダーのため、左利きのお子さまでも使いやすい。ポケット内にDカンあり。伸びるキーチェーン付き。 |
萬勇鞄(大マチ:12.5cm)
小マチ | 幅約2.5cmのアコーディオン式のの小マチ。大マチ横のサイドポケットにはリコーダーや折りたたみ傘が入れられる。 |
前ポケット | ファスナーが横まで開く幅約3.5cmのラウンド型。ポケット内に鍵用のナスカンがついている。ダブルスライダーを採用している。 |
【天使のはね】セイバン(大マチ:12.5/13.5/15.5cm)
小マチ | 折り畳み構造の小マチのため、厚みのある物も入り、しっかり収納できる。 |
前ポケット | ラウンド型を採用。「カギひっかけフック」がポケット内にあり。ダブルファスナー採用(スゴ軽シリーズ除く)。 |
カザマ(大マチ:12.0cm)
小マチ | 折り畳み形状の幅約3.5cmの小マチ。 |
前ポケット | 幅約2.5cmのラウンド型でダブルファスナーを採用(カジュアル/ワイドシリーズを除く)。ポケット開口部が広く大容量を収納できる。 |
フィットちゃん(大マチ:12.0/13.5cm)
小マチ | 「楽スキッ®」のサブポケット(小マチ部分)は最大5cmまで伸ばせる大容量収納タイプ。箸などの給食セットや筆箱などが収納できます。 |
前ポケット | マチありのラウンド型前ポケットの内部には鍵が掛けられるフックがあります。ダブルファスナー採用。 |
村瀬鞄行(大マチ:12.0/12.5/14.0cm)
小マチ | 幅3cmまで広がる折り畳み式の小マチで、厚めの筆箱や汗拭きタオルなども収納できる。 |
前ポケット | 大きく開くBOXポケット内部には鍵がつけられる金具付き。ダブルの引き手ファスナー部分は力の弱いこどもでも滑らず開けやすいように独自に開発。 |
ララちゃん(大マチ:12.5cm)
小マチ | 最大5cmまで伸縮するアコーディオン式のマチで収納力もバッチリ。厚めのタブレットケースや筆箱も入れられる。 |
前ポケット | ポケットのマチ幅はモデルによって異なる。マチ幅が狭いタイプでも、内側に固定Dカンが付いており鍵の収納には問題なし。 |
各社、小マチや前ポケットの形状は様々ですが、それぞれに収納力があると、荷物をメインポケットに詰め込むことなく、自分で整理整頓して入れる習慣も身につきそうですね。
ランドセルを容量で選ぶなら
最近の小学生の荷物の量はとても多く、ランドセルを選ぶポイントとして収納力(容量)を重視される方も多いでしょう。収納力あり大容量のランドセルなら、手で持っていかなければならない荷物もランドセルに入れることができ、両手をふさぐことなく通学することができるので、安全面でのリスクも減らせますね。
そんな流れにのって、マチ幅12.0cm~13.5cmというメーカーが増えました。 メインの大きさだけで選ぶなら、大マチ幅が13.0cmのランドセルは大容量といえるでしょう。しかし、小マチや前ポケットの伸縮性や大きさなども含めて考えると、他の工房・メーカーのランドセルも収納に関しては大差ない印象です。
ランドセル大マチのサイズ13.0cmで選ぶなら
大マチ幅がコンパクトなモデルでも工夫次第
土屋鞄では、昔ながらのサイズである大マチ幅(奥行)11.5cmのモデルがあります。
小学校によっては「置き勉」に移行して荷物が減っていたり、タブレットや水筒はランドセルに入れないよう指定される学校も。そうなると、必要最低限のマチ幅で十分になります。
新1年生のころは小柄な体形のお子さんも多く、ランドセルにすべて入れてしまうと重心が後ろに集まって転倒の心配もあることから、あえてサブバッグで重さを分散させているという保護者の方もいるようです。
ランドセルのサイズは進化を続けている!
大マチ幅も大きいものでは15cmのモデルが出てきました。小マチや前ポケットも収納力が増してきています。
大容量だからといって教科書以外にも荷物を詰め込みすぎると、当然その分重たくなり、お子さまにかかる負担は大きくなります。 無理にたくさん詰め込むと、ランドセルの変形の原因になる場合も。
少し余裕がある程度に荷物を入れるのがオススメです。
お子さまの体形や体格、通学路の距離等を十分に考慮して、6年間使用できるランドセルを選んでくださいね!
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