ランドセルの便利パーツ・ナスカンを比較!安全なのはどれ?

ランドセルの便利パーツのひとつ「ナスカン」をご存じですか?
ナスカンとは、ランドセルの側面(大マチ)についているフックのこと。どのランドセルにも大抵付けられているナスカンは、メーカーや製品によって形や機能、使い勝手が大きく違っています。
とても小さなパーツですが、安全性の面でもランドセルを選ぶ際の大切なチェックポイントのひとつでもあります。
この記事では、各メーカーのナスカンの機能や使い勝手の違い、またランドセルの安全性の点から考慮しておきたいポイントをお伝えしていきますね!

ナスカンってどんなパーツ?

ナスカンは、ネックレスなどのアクセサリーやキーホルダーの留め具、カバンの肩掛け紐などでよく見られる金属製のパーツです。
本来のナスカンは、左上の画像のように、下部のフック部分と上部の「D」の字に似たDカン部分で構成され、上と下の部分が360度自由に回転するものです。下の部分のフックの形が、野菜の「ナス」に似ていることから「ナスカン」という名称が生まれました。
ただ、ランドセルにつけられるナスカンは、回転もしませんし、フック部が“ナス”の形をしているとも限りません。「ものを吊り下げる」という機能の面から「ナスカン」という呼び方が残されているようです。

ランドセルのどこについている?何に使う?

大マチ(側面)についているフックがナスカン

ランドセルのナスカンは、 吊るしたいものの輪の部分をフックに押し込むだけで、簡単にぶら下げられる便利なパーツ。おもに「大マチ」と呼ばれる側面についています。前締めベルトと呼ばれる部分に取り付けられているケースが多いようです。
メーカーによって形はさまざまで、ランドセルの右側の側面にのみ付いているメーカーもあれば、左右両側に用意されているメーカーもあります。

ナスカンは袋物をぶら下げるのに便利!

側面についたナスカンには、給食袋のような軽い袋物を吊り下げるのが定番。錠前を開け閉めしなくても、さっと取り外して使えるのが便利です。ランドセルの本体に収納しきれないものや、頻繁に出し入れするものにちょうどよいですね。
なかにはボトルケースや体操服袋のような、大きくて重たいものをぶら下げるお子さんもいるようですが、型崩れの原因になったり、背負ったときにバランスがとりにくかったりするので注意しましょう。

肩ベルトのナスカンは何に使う?

最近は、肩ベルトにナスカンを備えているメーカーも。
肩ベルトについている金具は、防犯ブザーや防犯用の笛を付けるために用意されたもので、多くのランドセルではDカンが採用されています。ナスカンをつけているメーカーは少数派ですが、フックがなくDカンには取り付けられないものでもぶら下げられるのは便利ですね。

ナスカンを使う上で注意したいこと

巻き込まれたとしてもナスカンが外れることで危険を回避(画像引用:セイバン公式サイト セパレート式安全フック)

ナスカンは、ランドセルの中に入り切らないものを吊り下げるのにとても便利です。しかし、ぶら下げていた荷物が何かに引っ掛かって転んでしまったり、巻き込まれ事故などが発生したりと、危険な側面も。

・袋のひもの長さに注意する
・車道側のフックにはぶら下げないようにする

など、使用する際には十分注意しましょう。右側通行で歩いた時に車やバイクとすれ違う危険のない右側のみにナスカンを付けているメーカーもあるので、心配な方はそういったタイプのランドセルを選ぶ選択肢もありますよ。

安全ナスカンって何?

「外れる」ナスカンと「外れない」ナスカン

セイバンの「セパレート式安全フック(ナスカン)」

ナスカンは大きく分けて2つのタイプがあります。ナスカンにある程度の重みやひっぱりの負荷がかかると、ランドセルから「外れる」タイプと「外れない」タイプの2つです。
このうち、一定以上の負荷がかかると外れる仕組みになっているナスカンは「安全ナスカン」と呼ばれます
ナスカンにつけた荷物が、道を走る車や自転車に引っかかったり、エレベーターの扉に挟まれたりするといった不測の事態も考えられます。安全ナスカンは、そうした巻き込まれ事故や引きずり事故を回避するために、あえて外れやすく設計したものなのです。

安全ナスカンにもいろいろなタイプが!

羽倉のナスカンは革が切れるタイプ

「どれくらいの負荷がかかるとナスカンが外れるか」という点も、メーカーによって考え方がかなり異なり、10kgくらいの比較的軽い負荷で外れるように設計しているメーカーもあれば、40kg近い負荷がかからないと外れないことを前提としているメーカーもあります。
また、外れても元に戻して何度でも使えるタイプや、革が切れる構造になっていて一度外れたら修理が必要というタイプもあり、製品によってそれぞれです。

あえて「安全ナスカン」を採用しないメーカーも

セイバンやフィットちゃんなど、大手メーカーはほとんど外れるタイプを採用していますが、工房系のメーカーではデザイン面などを考慮して安全ナスカンをあえて採用しない場合もあるようです。
また、外れても自分で取り付けられるタイプのナスカンは、何度も外れているうちに強度が落ちてしまうという弱点もあることを覚えておきましょう。

各ランドセルメーカーのナスカンを比較!

では、各メーカーのナスカンにどんな特徴・違いがあるかのか比較してみましょう。

メーカー名 ナスカンの位置 安全ナスカンのタイプ 特徴
黒川鞄工房 両側 不採用

・台座に革をつけ本体に傷がつきにくい設計
羽倉 右側のみ 革ベルトが切れるタイプ

・約38kgの負荷で外れる
修理が必要だが6年間完全無料保証

鞄工房山本 右側のみ 接続部にシリコンを使っており、外れても簡単に付け直せる ・約15~18kgの負荷で外れる
池田屋 両側 台座がプラスチック製で外れる設計 ・付け直しが簡単な「池田屋フック」採用
萬勇鞄 右側のみ 不採用 ・右側にDカンもあり
・左側にリコーダーケース付き
フジタ 右側のみ 負荷がかかると外れる安全装置付き ・革の台座をつけ、本体に傷がつきにくい設計
土屋鞄 右側のみ 不採用 ・革の台座をつけ、本体に傷がつきにくい設計
モギカバン 右側のみ モデルによって安全ナスカンの有無・仕様が異なる  
中村鞄 両側 不採用  
フィットちゃん 両側 台座がプラスチック製で外れる設計 ・約20kgの負荷で外れる
セイバン 右側のみ フックのみが外れ、簡単に付け直せる ・約10kgの負荷で外れる
・左肩ベルトに小ナスカンあり
カザマランドセル 両側 台座がプラスチック製で外れる設計  

安全で使いやすいナスカンを選ぼう!

このようにナスカンには、各ランドセルメーカーの考え方が色濃く反映されています。
安全性を優先、デザイン性や耐久性を優先、あるいは、あまり荷物をぶらぶらと吊り下げるのは危険という配慮から、あえて車道側の左には付けず、右の側面にしかナスカンを付けないというメーカーもあります。
「本来、荷物はランドセルの中にきちんと収容するのが理想で、そもそも外側に荷物をぶら下げないことがもっとも安全だ」という考え方も頷ける部分があるのではないでしょうか。
ランドセルを選ぶ上での大切なポイントとして、ナスカンの安全性や使い勝手なども検討の項目に加えてくださいね!