ランドセルの背負いやすさは「背カン」で決まる!?違いを徹底比較

ランドセルを選ぶ際、サイズや重さ、デザインは大切なポイントですが、「背負いやすさ」も忘れてはならないチェック項目。
小学生の6年間はお子さんの体格が大きく変化する期間だからこそ、背負い心地の良いランドセルを選んであげたいですよね!
そんなランドセルの背負いやすさを決定づけている大切なパーツが「背カン」。
ここでは、ランドセルの背負いやすさの決め手・背カンの種類や機能、各メーカーの違いなどについてお伝えしていきます。

ランドセルの背カンって何?どんな役割?

背カンは、肩ベルトとランドセル本体をつなぐ重要なパーツで、樹脂や金属が使われています。

中村鞄の背カン
中村鞄の背カン

リュックやデイバッグをお使いの方ならわかると思いますが、背負ったものの上部ができるだけ体に密着していたほうが荷物は軽く感じられませんか?
ランドセルもまったく同じ。フィット感が高まると荷重が分散されて疲れにくなります。
そんな、ランドセルの“体への密着感”を決めるのが「背カン」といっても過言ではありません。

おもな背カンは2タイプ。メリット・デメリットは?

背カンの種類は大きく分けて2つ

土屋鞄の背カン
土屋鞄の背カン

背カンには「固定背カン」と「左右に開く背カン」の2つのタイプがあります。

固定背カン

固定背カンは昔ながらの背カンで、肩ベルトは上下には動きますが、左右には動きません。
大峽製鞄など、ごく一部の老舗の工房が採用しています。

左右に開く背カン


羽倉の背カン(左右非連動型)

セイバンの背カン(左右連動型)

左右に開く背カンには、左右が別々に動くタイプ(左右非連動型)と、左右が同時に動くタイプ(左右連動型)の2種類があります。
大手メーカー・フィットちゃんのオリジナル「フィットちゃん背カン」や、多くのメーカーが採用している「ウイング背カン」などが左右が別々に動く背カンで、ほとんどのメーカーがこのタイプを採用しています。
左右が同時に動く背カンは、セイバンとセイバンがOEM(相手先ブランド名製造)で作ったランドセルなどに使われています。

「固定背カン」と「左右に開く背カン」のメリットとデメリットは?

ランドセルを背負って走る女の子

「固定背カン」は可動部分が少ないため、構造がシンプルになり壊れにくいのがメリットですが、年齢とともに体が大きくなると、ランドセルを背負う時に窮屈な思いをすることも。

一方、現在主流となっている「左右に開く背カン」は、ランドセルを背負うときに腕を通しやすくラクなのがポイント!
お子さんの体格が小さくても大きくても、体格に合わせて背カンが開くので、背中にピッタリ密着しやすく、背負ったときに軽いと感じられます。 成長して体格が変わっても、背負いやすさは基本的に変わりません。
ただ、髪の長いお子さんの場合、動く背カンが髪の毛を挟むことがあるようなので注意してあげてくださいね。

なお、左右が別々に動くタイプと連動して動くタイプの違いですがどちらがよいとは一概に言いにくいところ。 実際に背負ってみて、お子さんがラクと感じるものを選んであげると良いでしょう。

ベルトの立ち上がりもチェックしよう!

「立ち上がる肩ベルト」と「立ち上がらない肩ベルト」

左右に開く背カンには、肩ベルトが背カンから「立ち上がっている」タイプと、昔ながらの「立ち上がっていない」タイプがあります。 肩ベルトを立ち上げるためには、背カンに肩ベルトを立ち上げるパーツを使用したり、ベルトに樹脂などの芯材を入れる必要があります。
この2種類にはどのような違いがあるのでしょうか?

主流は「立ち上がるベルト」

萬勇鞄の背カン
萬勇鞄の背カン

最近の主流は、肩ベルトを立ち上げるタイプの背カンを使ったり、あらかじめ湾曲させた肩ベルトを背カンから立ち上げるタイプです。このタイプだと、フィット感がより高まり、ランドセルを背負ったときの体感が軽くなると考えられています。
また、肩のラインに沿って肩ベルトが立ち上がっていれば、ランドセル上部が背中に引きつけられ、後ろに倒れにくくなります。体の小さな1年生にとっても比較的負担が少ないということで、多くのメーカーが採用しているのです。

あえて「立ち上がらないベルト」を採用するメーカーも

一方、昔ながらの立ち上がらないベルトを使っているメーカーもあります。
どんな肩ベルトでも、毎日使っているうちに自然と体に馴染んでくるもの。上質な素材でベルトをつくり、使いながら体にフィットさせていくほうが、最終的にはその子に馴染んだ良いランドセルになる・・・という考え方なのでしょう。

「立ち上がる肩ベルト」→ 最初から肩のカーブにそったベルトを使ったほうが肩に優しく後ろにずれない
「立ち上がらない肩ベルト」→ 使い込んでいくうちに自然にその子の肩になじんだカーブをつくる

どちらの考え方にも頷ける部分があり、メーカーの考え方が現れているポイントといえそうです。
お子さんが背負いやすいと感じるかどうかがいちばん重要なので、どちらを選ぶかは、実際に背負ってじっくりと比較検討してみるのがよいでしょう。

どんな背カンを使ってる?各メーカーを比較

池田屋の背カン
池田屋の背カン

背カンは各メーカーが工夫を凝らしているポイントです。
各メーカーの機能や素材、また肩ベルトの立ち上がりの有無などをまとめてみました。

各メーカー・背カン比較表

メーカー名 左右の開き方 肩ベルトの立ち上がり 背カンの名称や特長
黒川鞄工房 非連動 スライド背カン
羽倉 非連動 ウイング背カン
鞄工房山本 非連動 非立ち上がり 前後にも動く
池田屋 非連動 前後にも動く
萬勇鞄 非連動 ウイング背カン
フジタ 非連動 非立ち上がり フリフリ背カン
土屋鞄 非連動 立ち上がり背カン
モギカバン 非連動 ウイング背カン
中村鞄 非連動 半立ち上がり ステンレス製
フィットちゃん 非連動 フィットちゃん背カン
(フィットちゃんオリジナル・他メーカーにも供給)
セイバン 連動 左右連動背カン
(肩ベルトは内部の樹脂[天使のはね]で立ち上げている)
カザマ 非連動 特許取得のオリジナル背カン
(テコの原理を応用し、金具や芯材に頼らず肩ベルトを立ち上げる)

同じウイング背カンでも背負い心地は違う!

上表を見ると分かるように、「ウイング背カン」と呼ばれる背カンが多くのメーカーで採用されています。これは金具製造メーカー・モミジヤ鞄材が製造する背カン金具の名称です。
その採用率は非常に高く、上表でほかの名称がつけられている背カンも、じつはこのウイング背カン(あるいはモミジヤ鞄材が製造する同等のオリジナル品)というケースもあるほどです。
しかし同じ「ウイング背カン」であっても、背負い心地はメーカーによって違います。なぜなら、それぞれ肩ベルトの構造が異なっているから。
背カンの金具が同じでも、ベルトの角度や芯材の入れ方などが違えば、背負い心地は異なります。お子さまの背負いやすいものを選んであげたいですね。

体に合った背カンを選ぼう

ランドセル姿の子どもたち

背カンや肩ベルトの立ち上がりは、どれが優れている、どれがダメというものではありません。
大切なのは、6年間の成長を通して、窮屈な思いや痛い思いをさせない、背負い心地の良いランドセルを選んであげること。各メーカーが工夫をこらしていますから、実際に背負って背負い心地を比べてみるのがよいでしょう。
実際に教科書やノートを入れるたときと同等の重りをランドセルの中に入れて背負ってみて、肩ベルトや背カンがどう体に当たるかを確かめてみると参考になりそうです。
また、ランドセルの修理はめったにないことですが、その中でも最も多いのは、背カンの修理だといいます。国内の有名メーカーのランドセルは、少々乱暴に扱ったとしても6年間の使用に耐えられるようにテストを重ねた後に販売されていますが、ごく一部、海外製の背カンを使ったものに破損のケースが見られるようです。
カタログだけでなく、しっかりと現物をチェックして、お子さんにとって背負いやすく、破損の心配のない、信頼できる背カンを選びたいですね!