ランドセル選びでつい見落としがちなのが「背当て(背あて)」。身体に直接触れる面積が最も広い部分だけに、背当てはランドセルの背負い心地を大きく左右します。
一口に背当てといっても様々なタイプがあり、どう選べばいいのか判断は難しいかもしれません。
ここでは、背当てに対する各メーカーの工夫、また素材や加工によってどんな違いがあるのか、お伝えしていきます。
「背当て」とは?
「背当て」とは文字通りランドセルを背負った際に背中にあたる部分。フィット感や通気性を高めるため、各社が技とアイデアを結集して背負い心地の良い背当てを目指しています。
また、最近は素材だけではなくカラーバリエーションも豊富になりました。定番の白は汚れや色落ち・色移りが目立ちやすいため、黒をはじめ濃い色の背当てを選ぶ方も増えているようです。
色やステッチでおしゃれに進化!背当てのデザイン
背当てはランドセルを背負っているときは見えませんが、置いたときに目を引くおしゃれなデザインのものもあります。実は、お子さんがこだわるのは、かぶせ(ランドセルの蓋)のデザインより、背当てだったりすることもあるんですよ!
「色」が個性的な背当て
ランドセル本体が比較的オーソドックスな色でも、背当ての色が個性的なだけで、周りとは違った印象を与えることができます。
鞄工房山本 「レイブラック」
鞄工房山本で男の子に一番人気の「黒ランドセル」。ヘリのアクセントカラー以外は背当てまで黒に統一し、シックさとカッコよさを強調しています。
フジタ「アンシェル」
ベーシックな色のランドセルの背当てをポップでカラフルに彩ったモデル。お友だちとは一味違うランドセルが楽しめますね。
土屋鞄「ベーシックカラープラス」シリーズ
「ステッチ」や「型押し」が個性的な背当て
背当て部分に大胆なデザインのステッチや押し型を入れることでデザイン性を高めるメーカーもあります。
萬勇鞄「クローネティアラ」
クローネティアラ
ティアラのステッチが可愛らしいモデル。ランドセルを置いた時だけ見えるのが、さりげないおしゃれに。
フィットちゃん「あい・愛ティアラ」シリーズ
かわいい「フォーハート」のステッチが入ったシリーズ。通気性を高める役割も果たしています。
ランドセルのフィット感を高める工夫とは?
背当てのへたりにくさにも注目
ランドセルはなるべく体に密着したほうが、重さが分散して軽く感じます。
ただ体への密着を求めるあまり、背当てにスポンジを使っているランドセルがありますが、スポンジは耐久性が低く時間が経つにつれてへたってくることも。高学年になるにつれて教科書の量も増えますが、その頃に背当てがぺしゃんこになっていたら、ランドセルを背負うのが辛くなってしまいます。
最近のランドセルによく使われているのはウレタン素材。フィット感に優れ、へたりにくいことから選ばれているようです。さらに快適な背負い心地を追求するなら、部位によって厚みを変えた立体構造で背中へのフィット感をアップさせているものを選ぶと良いですよ。
背当てのフィット感を高めるメーカーの工夫
鞄工房山本
硬さの異なる二種類のウレタンフォームで凹凸を作っています。二層構造が腰と背中を守り、体への負担を軽くします。
羽倉
異なる厚みと硬さの素材で3層構造に。腰のくぼみに当たる部分のクッションを厚くすることで、自然なフィット感を実現。
セイバン
背負ったときに一番軽く感じる「垂直状態」をキープする「せみね」を採用。「背中Wクッション」で背骨への負担も軽減します。
夏も涼しい背当てを選ぼう!
子どもは汗っかき!
真夏の暑い日もこどもたちはランドセルを背負って登下校します。暑い日に限らずとも、こどもは汗腺の密度が高く新陳代謝も活発なため、汗っかき。ランドセルを背負うと背中が汗で蒸れて「汗疹(あせも)」ができたり、雑菌が繁殖してしまうことも。
夏も涼しく、通気性・防臭・抗菌に優れた背当てを選んであげましょう。
通気性のいいランドセルとは?
通気性を確保するため、各メーカーとも形状と素材にさまざまな工夫を凝らしています。
ほとんどの背当てが凹凸形状になっているのは、背中に空気が通る道をつくるため。クッションを重ねてくぼみをつくったり、ステッチを施して立体的にしたりすることで、凹凸を設けています。
また素材も、蒸れにくく通気性のある素材を選び抜き、各メーカーともこだわって使用しているのです。
背当ての素材は「天然皮革」と「人工皮革」、どちらがいい?
背当ての表面の素材としては「天然皮革(ソフト牛革)」や「人工皮革」が使われています。それぞれに利点があり、どちらを採用するかはメーカーの考え方が表れるポイントです。どちらが優れているとは一概に言えませんので、それぞれの特徴を知って選ぶと良いでしょう。
天然皮革の特徴
ぬくもりのある手触りは天然皮革ならでは。 柔らかくて触り心地の良い、ソフト牛革と呼ばれるレザーが使用されることが多いようです。 天然皮革には「毛穴」があり、それが空気の通り道となることで背中にこもった熱気を逃がし、蒸れや雑菌を防ぎます。
本来、天然の牛革は汗を吸うものですが、最近はカビ防止や抗菌などの理由で、汗がしみ込まないよう「はっ水加工」したものも多いようです。
人工皮革の特徴
人工皮革ははっ水性に優れるため、水拭きできて汚れが簡単に落とせるのが利点です。
昔は「人工皮革は通気性が良くない」と言われていましたが、最近はかなり高機能な素材が開発されています。フィットちゃんの「エアーフレッシュ」や萬勇鞄の「エアリー」、羽倉の「エアリーソフト」、セイバンの「ブレスレザー」などの素材は通気性や透湿性も良く、はっ水加工や抗菌・防臭加工までされています。
メーカー別・背当ての素材一覧
おもなメーカーが背当ての素材に何を使っているかまとめました。天然皮革にも人工皮革にもそれぞれ利点があるので、お子さまの好みや使い方に合わせて選ぶと良さそうですね。
天然皮革 | 人工皮革 | |
メーカー名 | ・黒川鞄工房 ・萬勇鞄 ・フジタ ・土屋鞄 ・モギカバン ・中村鞄 |
・羽倉(エアリーソフト) ・鞄工房山本 ・池田屋 ・萬勇鞄(エアリー®) ・フィットちゃん(エアーフレッシュ) ・セイバン(ブレスレザー) ・カザマ(クラリーノ) |
汗が気になったら「背当てパッド」を使ってみては?
背当ての汗が気になる場合は、メッシュ素材の「洗える背当てパッド」も好評です。
背あてはメーカーによってサイズが違うので、購入したランドセルメーカーの純正品を選ぶのがベスト。もし販売されていない場合は、汎用品を購入することもできますよ。
ランドセル用 爽快背あてパッド
ランドセルと背中の間に立体メッシュによる空間を作り、通気性を良くすることで快適にランドセルを背負う事ができます。写真のネイビーのほかにパープルもあります。1,580円 (税込) 。
背当ての機能でランドセルを快適に!
快適な背負い心地に大きく関係してくるパーツ・背当て。へたりにくいウレタン素材を使用し、夏でも蒸れにくい背当てを選ぶのが良さそうです。
各メーカーともフィット感や通気性を追求し、さまざまな形状や素材を工夫しています。 クッションの構造や材質を比べると、メーカーのこだわりが確認できますよ。体型に合う・合わないがあるので、是非とも背負い比べてみてくださいね。
また最近は、背当てがおしゃれなランドセルが豊富に展開されています。シンプル&ベーシックなランドセルでも、背当てにビビッドカラーが入っていたりキュートなモチーフがステッチされているものも。背当てにも注目して、親子で納得のいくランドセル選びをしてくださいね。
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