ランドセルは、サイズや重さだけで選びがちですが、各メーカーは細かいパーツにまでこだわって作っています。ランドセルの使い心地は細部の機能性によっても違ってくるので、各社のこだわりはチェックしておきたいポイントです。
今回は、そのひとつである「Dカン」について解説します。防犯ブザーをつけることが多いDカンは、子どもの安全を守ってくれる大切なパーツともいえます。ランドセル選びの際のチェックポイントにしてみてくださいね!
ランドセルのDカンって何?どうやって使うの?
そもそもDカンってどんなもの?
Dカンはその名前の通り、アルファベットの「D」の形をしている金具です。ものをひっかけるためにつけられている金属パーツで、強く引っ張っても外れない丈夫なつくりになっています。
Dカンはどこについている?
Dカンがついている場所はメーカーによって異なりますが、おもに肩ベルトです。側面にもつけているメーカーもありますです。肩ベルトについているDカンは、右側にひとつだけのメーカーもあれば、両方につけているメーカーもあります。
Dカンには何をつける?
肩ベルトのDカンには、防犯ブザーをつけることを想定しているメーカーがほとんど。イザというとき、わざわざ取り出さなくてもすぐに手が届くからです。防犯ブザーの他には、家のカギをつけている方も多いようです。
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どのDカンが便利?各社のDカンを比較!
「小さなパーツだからどれも同じでしょ?」「Dカンってそんなに気にするようなパーツなの?」と疑問に感じる人もいるかもしれませんね。意外にもDカンは、ついている数や場所などに各社のこだわりが見えてくるパーツでもあります。
Dカンのつき方を大きく分類すると「両方の肩ベルトについている」「左の肩ベルトにだけついている」「それ以外の場所についている」3通りに分けられます。ここではおもなランドセルメーカーをこの3パターンに分け、それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。
Dカンが両肩ベルトについていると何が便利?
Dカンを両方の肩ベルトに設置しているおもなメーカーはこちら。
・黒川鞄
・萬勇鞄
・鞄工房山本
・羽倉
・モギ
・セイバン(ただし左側はナスカン)
両肩ベルトついていれば左利きでも安心
防犯ブザーは1つしかつけませんから、Dカンも1つでいいのは…?と思いますが、これは、利き手がどちらの子どもでも、防犯ブザーがサッと使えるようにするためなのだそう。
つまり、左肩ベルトにしかDカンがない場合、左利きのお子さんには使いにくい可能性があるということ。お子さんが左利きの場合は、両肩ベルトにDカンがあるモデルを選んであげるのが良さそうですね。
鍵を付けるなら、両肩ベルトに必要
鍵っ子にせざるを得ない場合、悩むのが「鍵をどのように持たせるか」です。ポケットの内側に隠してしまっておくのもよいですが、便利なのが肩ベルトに取り付けるタイプのキーホルダーを使うこと。わざわざランドセルを下ろして取り出さなくても、さっと使うことができます。一見したところでは家の鍵が付いているように見えないのも安心です。
両肩ベルトにDカンが付いているランドセルなら、防犯ブザーと鍵をそれぞれに付けることが可能ですね。
Dカンが左肩ベルトだけについているのは?
左肩ベルトのみにDカンがついているおもなメーカーはこちらです。
・土屋鞄
・中村鞄
・フジタ
右利きなら左だけで十分かも!?
左側にしか付いていないのは、防犯ブザーを右手で操作する=右利きであることを前提にしているから。左利きのお子さまにとっては不便ですが、右利きであればまったく問題ないでしょう。
池田屋の肩ベルトにはDカンなし!
他のメーカーと異なるのが池田屋です。池田屋のランドセルの肩ベルトにはDカンがありません。
防犯ブザーは、肩ベルトのベルト穴に取り付けられる「移動式防犯ブザーフック」で、好きな位置に取り付けられる仕様になっています。利き手や身体の大きさにあわせて最適な場所に設置できるのが便利ですね。
肩ベルト以外にDカンが付いているのは?
ランドセルの側面にDカンを設置しているメーカーもあります。
左側面:黒川鞄、土屋鞄、鞄工房山本、モギ、池田屋
右側面:萬勇鞄
側面にあるDカンは、背負った状態で手が届きやすい位置ではないので、防犯ブザーの取り付けにはおすすめできません。おもにキーホルダーなど、頻繁に取り外ししないものを付けることが多いようです。
側面に必ずついているナスカンに給食袋などをぶら下げる場合、キーホルダーなどを付けていると邪魔になるので、Dカンが別にあると便利です。とはいえ必要性の高いものではないので、側面のDカンの有無でランドセル選びをする必要はないでしょう。
ランドセル選び、Dカンのココをチェック!
ここまで見てきた各社のDカン事情をまとめると、下の表の通りになります。
メーカー名 | 肩ベルトのDカンは? | 側面のDカンは? |
池田屋 | なし(移動式防犯ブザーフックが付属) | 左側 |
黒川鞄工房 | 両方 | 左側 |
土屋鞄製造所 | 左のみ | 左側 |
萬勇鞄 | 両方 | 右側 |
鞄工房山本 | 両方 | 右側 |
中村鞄製作所 | 両方 | なし |
羽倉 | 両方 | 右側 |
MOGI(モギカバン店) | 両方 | 両方 |
カバンのフジタ | 左のみ | 右側 |
セイバン | 両方(左側はナスカン) | 両方 |
ではランドセルを選ぶとき、Dカンのどの部分に注目すればよいのでしょうか?チェックポイントは大きく2つあります。
(1)利き手に合った位置にDカンがついているか
最近は登下校時に防犯ブザーを身につけるのは当たり前で、ほとんどのお子さまがランドセルの肩ベルトにつけています。
防犯ブザーは利き手の反対側の肩ベルトにあると使いやすいため、右利きなら左肩ベルト、左利きなら右肩ベルトにDカンが設置されていることがポイントです。とくに左利きのお子さまの場合は注意して選びましょう。
(2)つけたいものの数とDカンの数があっているか
防犯ブザーしかつけないのであれば、Dカンは1つあれば十分です。でも、大きくなると使い方が変わってくる可能性もあります。「鍵っ子になったから、使いやすい場所に鍵を取り付けたい」、「学童や習い事で遅くに帰宅するから、大きなリフレクターをぶら下げたい」など、購入時には想定していなかった使い方をすることになるかもしれません。
Dカンは、購入後に増やすことが難しいパーツです。とくに、取りつけたいものが決まっている方は、しっかり確認しておくことをおすすめします。
まとめ
ランドセル選びのときはデザインや色、大きさや重さに目が行きがち。でも、Dカンのような細かいパーツによって、使い心地が変わってくるものです。
各社によって考え方が異なるDカン。ついている位置や数をチェックして選ぶと、お子さまにマッチしたランドセルを見つけることができるかもしれませんよ。